〈語り手〉 髙松建設 代表取締役社長 髙松孝年 TAKATOSHI TAKAMATSU
〈聞き手〉 映像システム 代表取締役社長 髙野隆児 RYUJI TAKANO
2025 特別企画 SPECIAL INTERVIEW with

「他社がやらないことをやる」
姿勢がつくりだす価値

PHOTOGRAPHYShinnosuke Yoshimori

TEXT/EDITESC Media Team

賃貸マンションやオフィスビルの建設を通じて
土地オーナーや経営者に向けた収益性の高い
土地活用の提案に強みを持つ髙松建設。
今回は創業100年を超えてなお成長と進化を
続ける髙松建設代表取締役社長の
髙松孝年様に、
その歴史と今後についてお話を伺いました。

CHAPTER 1

成長の起爆剤は
「従来と全く異なるアプローチ」

髙松建設 髙松様創業者であり私の祖父である髙松留吉は、非常にアイデアマンであり、人と違うものを取り入れたり工夫したりすることが得意であったと言われています。その血を受けた次世代の髙松建設として、今から65年ほど前に現在名誉会長を務めている髙松孝之と私の父である髙松孝育の2人の兄弟が引き継ぎました。

100年経った企業というと非常に古く感じるかも知れませんが、現在名前を連ねているゼネコンに比べると我々は後発の部類で、他社と同じことをやっていては当然マーケットに食い込めず、くさびを打ち込むことはできませんでした。

そんな中、新たに始めたのが“土地の有効活用”でした。農地や駐車場、空き地、使われていない建物をお持ちの方をまわり「こんな建物を建ててみませんか」と、建てる予定もない土地に対して図面を描き、事業計画も併せて提案するという全く異なるアプローチ方法を行ったことが、当社の起爆剤、成長のスタートとなりました。

CHAPTER 2

「他社がやらないことをやる」
姿勢が大切

髙松様祖父がアイデアマンであり、それを受け継いだ子供たちが前述のようにイノベーターとなり、そして気づいた時には上場していたわけなのですが、では賃貸マンションの提案営業は今でも“イノベーター”と言えるかというと、それは違います。もう当たり前になっているのです。当社は今後も提案型営業というスタイルは変えず、さらに他社ではやらないいろいろな事を展開していきたいと考えています。

最近力を入れているのは“工場”や“倉庫”の提案です。この手の分野の何が難しいかというと、土地が一般的に流通していない点です。土地情報を探しても、宅地とは根本的に違いまず売りに出ていません。では流通していない土地をどうやって買い求めているかというと、自ら探しに行くしかないわけです。「こんな土地が欲しい」と言われると、条件に合いそうな土地を探し、その土地の所有者を調べ、地権者にアプローチをし、売り土地を見つけるという非常に手間のかかる作業をしています。建築提案のみならず、今こういったツーステップにまたがる仕事をする専業業者は世の中に殆ど存在しないのではないでしょうか。

このように我々は法人向けにも提案力を活かした営業をしていますが、今後同業他社で同じような動きをするところも増えてくるかもしれません。だからこそ“他社がやらないことをやる”姿勢が大切です。競争が少なく価格競争に巻き込まれるリスクが低いため、収益源を確保できる可能性が高いわけです。

「他社がやらないことをやる」髙松建設の今までの取組みを紹介する社内の展示スペース
CHAPTER 3

「唯一無二」から生まれる
付加価値

映像システム 髙野価格競争ではなく、付加価値をどうつけていくかというのは非常に大きなテーマですね。どうしても値段だけで勝負していくと、社員のモチベーションも下がっていってしまいます。

そのような中で、私たちは当社のビジョンにもある“唯一無二”をどんどん取り入れていこう、という意識で取り組んでいます。他社ではやっていないことや、業界内の常識とは少し違うものを取り入れたりすることで「あの会社、なんかちょっと面白くなってきているんじゃないか」と認識していただけると思っています。

今回の髙松建設さんとのお仕事では、1階の大型映像表示のように建物の外からも見えるスペースに対してこれほどインパクトのある事例を作らせていただいたことで、私たちは人々へ感動を届け喜んでいただける仕事をしているのだということを改めて感じることができましたし、そのことをより多くの方に認知していただくきっかけになっているのではないかと思っています。

CHAPTER 4

ポイントはハードから
ソフトへのシフト

髙松様現在当社は日本主要都市での営業展開を進め、今後は海外市場への展開を検討しておりますが、海外市場においては日本と同じ業態が通用しない可能性があるため、現地に適した商品やターゲットを再考する必要があると考えています。事業内容においてはすでに不動産にも相当力を入れていますが、今後は業態変更も視野に入れていく必要があるとも考えています。

その大きな理由の1つに、やはり世界的に見て成熟した優れたビジネスモデルにおいてはハード(物的資産)よりもソフト(サービスやソリューション)の価値が高まっている現状があるからです。いろいろな粗品やノベルティーを配ったから喜ばれる時代でもなく、本当に欲しいものしか人は手にしなくなってきています。一方、ソフトに関しては全く違う環境で、多くの企業が関心を持ち、資源をつぎ込んだりしています。価値という面で見ても、先進国を中心にソフトとハードの価値がもう逆転して久しいと思うのです。我々はハードを作る業界にいながらそれを非常に感じており、やはり最後に行き着くのはソフトビジネスだと考えています。“出来上がったものをどう活用し、何を生み出すか”という、提案型のビジネスモデルそのものに価値があると考えていて、これを海外展開の柱として検討しています。これは当社だけではなく、日本の企業が背負っている宿命だと思っています。

日本の製造業が縮小し、輸出産業としては自動車以外が弱体化する中で、今後、日本が海外に提供できる価値は、高齢社会に関するノウハウやソフト面の知見であり、それをどう収益化するかが、私は日本の企業が今後力を入れるべきポイントではないかと考えています。それと同様に、当社はハード主軸からソフト主軸へいかにシフトしていくか、そこが今後の重要なポイントだと思っています。

新規導入をご検討の方へ

  • お問い合わせ

    小さなことでも
    お気軽にご相談ください。
    最適なソリューションを
    ご提案いたします。