『兜町』言わずと知れた日本のそして、世界を代表する証券街です。その中心に位置する東京証券取引所の会議室に、今回『ペーパーレス会議システム』と『議事録作成支援音声自動認識ソフト』を納めさせていただきました。
本プロジェクトのポイント
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『ペーパーレス会議システム』や音声認識による『議事録作成支援ソフト』を導入
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資料印刷の経費を削減する以外にもメリットを実感
アプローチ
「紙生産大国である日本は、古紙利用率の上位国でもあります。新聞紙やダンボールなど、回収の仕組みが整っているものに関しては、高い再利用率を誇っているのです。しかし、コピー用紙や資料など、情報が印刷された機密性の高い資料は、その性質により再利用に向かない、または好まれないものとなります。自然環境へ高く貢献することは、個々人だけでなく人が多く集う企業、学校でも重要視されている問題の一つです。近年「ペーパーレス」という言葉がよく聞かれるようになりました。紙ベースで会議を行う企業でも、ペーパーレス会議システムを導入し、自然環境への貢献度を高める仕組みづくりが行われていることも珍しくありません。
「一体いつになったら紙はなくなるんだ!」この一言が出たのは、東京証券取引所の役員会議でした。これがきっかけとなり、東京証券取引所でのペーパーレス化へ向けた仕組みづくりの口火が切られました。役員会での資料は、各部から報告書類があがり、まとめられ最低でも10ページ、多いときは50ページにも及ぶそうです。それが、役員会議ごとに60部印刷、製本されます。さらに、最新の情報をもって役員会議に臨めるよう、各部署の情報の更新が前日の夕方まで続きます。取締役会やその他役員会でも同様の作業が行われていたそうです。
ペーパーレス会議システムとは、各参加者の座席に液晶タブレットを配し、発表者の提示する資料を共有したり、個別に拡大/縮小や手書きメモを取ることなどができるシステムです。
紙を用いた会議と同様の活発な議論を遮らず、訴求力の高い資料提示をできることが第一の課題です。本件を担当された東京証券取引所グループのプロジェクトチームは、数社の実機デモを見てシステム仕様の決定を行いました。
「資料が急に紙からディスプレイ映像になりますので、直感的で誰でも容易に利用できるような操作性を持たせることを基本方針として構案しました」操作のしやすさは導入直後の取り扱い説明でも見て取れ、一度説明を聞いただけで問題なく操作が行われていたそうです。また、紙資料の配布を行わないことで、情報漏洩のリスクの低減にもつながり、経費を削減すること以外の効果も得られたそうです。「全社的にペーパーレスに取り組んだ場合、必ずしも役員会議室と同様の構成が正しいとは言い切れないと思います。場に応じたペーパーレスにも今後取り組んでいきたいです」とのご意見を頂き、ESCもその一助になり続けたいと思った瞬間でした。
また、隣接した会議室には音声自動認識ソフトを用いた議事録作成支援ソフトが導入されています。今まではテープおこしで作成していた議事録も、今後は会議終了後、自動認識ソフトが作成した文字データの間違いを確認していく作業が主となります。認識率も高く、今後の活躍が楽しみです。『日本人は勤勉で改善が上手』とはよく言われますが、その一端を兜町の会議室でも垣間見ることができました。私たちも勤勉に、そして着実にお客様に貢献できるものをご提供して行きたいと思いました。