Grand Hyatt Fukuokaにて、チャペル「WHITE ROSE」及びバンケットルーム「RED ROSE」へのAV設備を収め、そして今回、同じ系列であるHYATT REGENCY FUKUOKAにあるREGENCY【ENGRISH GARDEN】でAV設備導入のお手伝いをさせて頂きました。これらの部屋は全て、同じデザイナーが手掛け、様々なコンセプトに因んだ部屋作りがされています。緑や黄色に囲まれた今回の部屋は主に披露宴会場として使用されます。
アプローチ
プロジェクタとスクリーン、スピーカを使った一般的な設備内容ではあるものの、RED ROSEでの実績を踏まえ、壁や天井に取り付く機材のほとんどが、造作の壁の中やカーテン裏など、利用者側からは見えない位置を検討し設置されています。
■ポイント1:お客様の意向
当然のことですが、ことの発端は必ず直接のお客様であるホテル側にあります。何も問題がなければこのような大掛かりな改修が行われるはずもなく、老朽化に伴うものであったり、部屋の稼働率を上げる為であったり、さまざまな理由・原因を拾い集め、できるだけ具体的なイメージを持って頂けるような提案と、AV設備の導入によるメリットを最大限にお伝えする必要があります。
■ポイント2:デザイナーの存在
冒頭でも述べたように、今回のENGLISH GARDENを含む全ての部屋は、国内だけでなく世界の同グループのインテリアデザインを手掛けるデザイナーが関わっています。壁・床・天井・照明・装飾などの細部にまで拘り、デザインにそぐわないものについては一切の妥協がありません。その中で、如何にすればお客様の意向に沿ったシステムを導入できるかが重要で、時にはプロジェクタを昇降式にしてみたり、時には壁の中に隠してみたり、観せる為の機器や聴かせる為の機器を見せないようにするという矛盾したような仕組み作りに毎回多くの宿題を抱えながら臨みました。
■ポイント3:運営会社によるシステム活用
システムを納めた後、実際の運用を行うのは全てこの運営会社になります。これまでの運用状況や現状の問題点を熟知しているので、欠かせない機能や要素について多くの意見を聞くことができます。
特に、システムの拡張性や機器の故障によるトラブル、また利用者からの突発的な要求など、運用中に起こり得る様々なトラブルにも二重・三重に備えた設備・対応を強く求められます。
以上、3つのポイントは、コンパクトにまとめてしまうと、『意向・意匠・運用』という普段から気をつけるべき当たり前のキーワードではありますが、今回の設備導入では、各キーワードは施主、デザイナー、運営会社に置き換えられ、それぞれの立場からより高い精度を求められています。営業・設計・技術のそれぞれが当たり前のことをより深く考え、追求するといういい機会となりました。