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ワークスタイルとオフィスのリデザイン

  • レポート/コラム

2021年8月に執務エリアを中心に映像システム本社のオフィス環境を一新いたしました。AVシステムの導入では、様々な企業様の空間づくりに参画させていただく機会が多くありますが、今回は私たちのオフィスリニューアルに至った経緯やコンセプトなどをご紹介させていただきます。

既存の課題と新型コロナウイルスの出現

オフィスリニューアルの検討は「座席数不足」の問題が発端でもありました。ここ数年、新卒採用や中途採用の新たなメンバーの入社で当社の社員数は年々増加しており、既存オフィスでの新たな座席確保が課題の一つになっていました。加えて、新型コロナウイルス感染症の蔓延によりリモートワーク推奨、出社制限など「コロナ禍」という側面からも働き方の見直しや改革も余儀なくされました。そして2020年9月、コロナ第二波のピークが過ぎた頃に「New Office Project」という社内プロジェクトチームが発足しました。

「New Office Project」プロジェクトチームにて抽出した主な課題と目標設定には次のようなものがありました。

課題

  • 新入社員の座席確保
  • コロナ禍/アフターコロナ やフレックスタイム制に適応した働き方改革
  • 繁忙期に会議室が倉庫化・作業場化してしまうミーティングエリアの不足
  • 導線を含むオフィス全体のレイアウト改善

目標

  • 第1 フェーズ : 4 月からの新入社員の座席の確保
  • 第2 フェーズ : 50 周年の節目にあたり、2021年 8 月を目標に働き方の見直しやオフィスレイアウトの変更を行い、よりよい環境を作っていく

ヒアリング調査結果

具体的なプラン策定に向け、事前にプロジェクトチームから全社員へのヒアリング及び出社率の実状調査が行われました。各企業ごとに個性がでる内容かと思いますが、当社の結果をご参考までに少し紹介いたします。
まずは、全社員に対して従来の環境、また今後新たに必要となるスペースについてのヒアリングが実施されました。

対象:全社員 
方法: Microsoft Formsを使用したアンケート形式

各既存スペースについて

新規スペースについて

これらの結果により、座席数確保の課題の他にも、来客・打合せスペース不足の不満や、検証スペースの必要性という課題が特に明確になりました。
また、最低限必要な座席数を検討するための材料として、出社率の実状については下記のように調査されました。

出社率の実状調査結果

対象:全社員(2021年9月~12月)

コロナ禍でこれまでよりは外出の割合というものは減っているものの、リモートワークを実施していると、全社員分の座席に対して約35%の空席が平均して発生するということがわかりました。

ニューオフィスデザインと社内改革

浮き彫りになった課題や実状に加え、Withコロナ/Afterコロナでの働き方やオフィスの使用方法見直し等を踏まえ、「コミュニケーションがとりやすい回遊型オフィス」をコンセプトにニューオフィスをデザインし、 「フリーアドレス制の導入、リモートワークの継続 及び 出社率60%設定」を決定しました。

主な課題とその対策

  • 座席確保:
    フリーアドレス制導入とリモートワーク継続により約3年後までの要員計画に対応
  • ミーティングスペース不足:
    執務エリアのミーテイングスペース増設により改善
    また独立した検証スペースを新設することでミーティングスペースへ 作業場としての浸食をさせない
  • 教育環境面:
    フリーアドレス制のなかでも部署ごとの「グループアドレス制」を採用し、相談できる相手が近くにいない、聞けないを防止
  • 活性:
    フリーアドレス制やミーティングスペース増設、回遊型で動線上色々なメンバ―と触れ合うきっかけをもてるようになる
(コミュニケーション、人脈、気づき、アイデアの活性化)

回遊動線上に必要なスペースを配置することで限られた空間を効率よく繋ぎ、部門の垣根を越えたコラボレーションの創出も意識しました。

フリーアドレスを少し工夫した「グループアドレス制」

社員にとって大きな変化の一つが、固定席(基本)の廃止とフリーアドレス制の導入です。大きな変化による業務の支障が出ないよう、フリーアドレス化には「グループアドレス制」という仕組みを設けました。 「グループアドレス制」とは、“部門の座席エリアは決められており、その中で自由に席を選択する”という運用になります。こうすることで、部門内で状況に合わせた独自ルールが実行できるため、約半年経った今も目立った問題はなく、社員もスムーズにフリーアドレスの運用に馴染んでいる印象です。

また、座席数を削減することで生まれたスペースには、新たにどの部門でも利用できる「自由席」が設けられました。部門関係なく座れるオープン席では部門を超えた偶発的な接点が生まれたり、個人ブースでは、集中作業やWebミーティング利用が目立ちます。

執務エリアに増設されたミーティングスペース

ミーティングルームの他に、ちょっとした打合せでも使えるミーティングスペースが執務エリア内に多数新設されました。出社時のリアルでのコミュニケーションの回数、質を上げることが、結果的に生産性向上やリモートワークの継続を支えていくと思います。

新設された検証スペースとパントリーエリア

システム的な動作検証だけでなく、操作やソフトウェアに関わる運用検証も必要となっており、社内的にも必要性が強く訴えられてきた検証スペース。敢えて開放的且つパントリーの横に設置することでプロジェクトと関係のないメンバーや本部メンバーも気軽に様子を伺うことができ、そこでの情報交換や業務理解の底上げに繋がることも期待されます。

新しい働き方にシフトするための細かな配慮

座席が決められていないため、書類やモノの受け渡し時に困ります。そのため、個人ロッカーはポストのように挿入できるようになっています。受け取り側が気づかないことがないように、Teamsのチャットなどを利用した「伝言」などとの組み合わせで運用しています。また、退社時には机上に何もない状態にしますので、個人の荷物は毎日個人ロッカーから移動させ、また戻します。そのときに便利なフリーアドレス用のミニバッグも事前に配布され、活用しています。こうした、細かい運用想定をプロジェクトチームが行ってくれていたため、社員一人ひとりがスムーズに新しい環境での業務スタイルに移行していくことができました。

まとめ

出社率や座席数を制限しリモートワークを継続するという決断は、オフィスリニューアルをきっかけに働き方を変化させる必要性も表しています。特に業務機能については経営陣と各部門でも「働き方改革」というキーワードで業務上の課題が検討され実施され始めています。各種管理ツールのデジタル化はもちろん、リモートワークに伴うセキュリティの強化や社内規定の見直しなど様々なテコ入れもなされたため、結果的にオフィスリニューアルとコロナ禍という両要素が、私たちの社内改革を大きく推し進める結果となりました。

今回はニューオフィスのリニューアルについてご紹介させていただきました。世の中が激的に変化し、当社だけでなく社会全体が「改革」を余儀なくされている昨今ではありますが、半導体不足に伴う業界動向に合わせた新しい機器、規格のテスト実施など様々な情報を通じ、これからもお客様のカスタマーサクセスを実現できるよう引き続き尽力して参ります。

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